乳がんは、今後ますます増えるであろうと予想されています。そして乳がんによる死亡率も年々増加し、40年前の2倍となっています。医療が日進月歩に発達しているのに、なぜ増えているのでしょうか。その理由の一つに、乳癌検診の受診率が低いことが挙げられます。
人間ドックに乳癌検診があっても、受けない人も少なくありません。アメリカのマンモグラフィー検診の検診率が60%であるのに対し、日本では20%ほどです。乳がんは早期に発見し、早期に治療できれば、8割以上が完治します。早期であれば、乳房は温存できますし傷痕も目立ちません。
人間ドックで乳がんが見つかったら怖い、と言う人もいますが、見つかったら怖いのではなく、見つからずに年月が過ぎることのほうがよっぽど怖いのです。日本人の若い女性の食生活が年々欧米化し、動物脂肪の摂取量が増えています。動物性脂肪の摂取量が増えるにつれ乳がんが増えています。また、一昔前と比べると初潮年齢が早まり、初産年齢も高くなり、出産や授乳経験のない女性も増えています。
これらも乳がん発症リスクを上げています。このように考えると、近年は、人間ドックで乳がん検診を受ける必要性がますます高まっています。尚、30歳代未満の若い方は、乳腺が発達していて、マンモグラフィーでは白く映し出されてしまい、しこりと区別が難しいこともありますので、エコーによる検査のほうが分かりやすいです。エコーでの検査が可能であれば、医師と相談すると良いでしょう。
乳がん検診は、生理前や生理中は画像が軽い乳腺炎のように映ることや、乳房を刺激することで生理痛が強まることがありますので、できれば生理が終わってから受けるのがベターです。